ネット恋愛のその果てに…
ネット恋愛のその果てに…Fin.
2XXX年某月某日。
初老の男性が、娘らしき女性に連れられ、
大洗の砂浜に降りる階段の途中に腰を下ろし、静かに夕日を眺めていた。
そこへ、やはり年老いた婦人が通りかかった。
婦人は何かに気がつき、孫娘と思しき女性に連れられて、
男に静かに歩み寄った。
しばらく男の顔を眺めたあと、
「あら、相変わらず、綺麗な*☆★しているのね」と声をかけた。
永い沈黙のあと「今、お独りなんですか?」と、婦人が男に問いかけた。
男は静かに、そしてゆっくりと立ち上がり、婦人の手を取り、こう答えた。
「いいや二人だよ。……ただいま、☆*。」
いろんな遊びをして飽きていたころ、一人の女性に出逢った。
彼女の名前は「紫苑」
出逢いはね、そう。この電脳の世界の「とある掲示板」
彼女が作ったトピに、僕が何気なく書き込んだことから、この物語は始まった。
時に2004年12月
ネットから始まった、遠距離恋愛が
はたしてどんな結末を迎えるのか、僕らにはわからない。
オトコとオンナである以上、互いに感情があるし
もしかしたら、この先あっけなく終演を迎える可能性だって
ないとは言い切れない。中には綺麗ごとではすまされない
不快な表現もあるかもしれない。
ココは生身の、等身大の僕の過去のキモチの置き場所……
感情の赴くまま正直に綴ってゆきます。
いつか振り返る時が来る、その日のために。
僕らふたりが別れるか共に暮らし始める、そのいずれの日まで
どうかお付き合いを…。
+++++++++++++++++++++++++++++++++
さんきゅ。
いずれまた、ネットの海のどこかでお会いしましょう。
ご愛読、ありがとうございました。
lakiss
初老の男性が、娘らしき女性に連れられ、
大洗の砂浜に降りる階段の途中に腰を下ろし、静かに夕日を眺めていた。
そこへ、やはり年老いた婦人が通りかかった。
婦人は何かに気がつき、孫娘と思しき女性に連れられて、
男に静かに歩み寄った。
しばらく男の顔を眺めたあと、
「あら、相変わらず、綺麗な*☆★しているのね」と声をかけた。
永い沈黙のあと「今、お独りなんですか?」と、婦人が男に問いかけた。
男は静かに、そしてゆっくりと立ち上がり、婦人の手を取り、こう答えた。
「いいや二人だよ。……ただいま、☆*。」
いろんな遊びをして飽きていたころ、一人の女性に出逢った。
彼女の名前は「紫苑」
出逢いはね、そう。この電脳の世界の「とある掲示板」
彼女が作ったトピに、僕が何気なく書き込んだことから、この物語は始まった。
時に2004年12月
ネットから始まった、遠距離恋愛が
はたしてどんな結末を迎えるのか、僕らにはわからない。
オトコとオンナである以上、互いに感情があるし
もしかしたら、この先あっけなく終演を迎える可能性だって
ないとは言い切れない。中には綺麗ごとではすまされない
不快な表現もあるかもしれない。
ココは生身の、等身大の僕の過去のキモチの置き場所……
感情の赴くまま正直に綴ってゆきます。
いつか振り返る時が来る、その日のために。
僕らふたりが別れるか共に暮らし始める、そのいずれの日まで
どうかお付き合いを…。
+++++++++++++++++++++++++++++++++
さんきゅ。
いずれまた、ネットの海のどこかでお会いしましょう。
ご愛読、ありがとうございました。
lakiss
報告、そして……
あと2ヶ月もすれば、初めてココへ記した日が来る。
けれども、それを待たずにココを閉じることに……
いや、正確に言えば次のエントリーを最後に、更新を停止することにしました。
ココに初めて書いた5年前。2005.07.14 Thuは、
まだネット恋愛に関する情報も、ブログやサイトも少なくてさ、
当初、紫苑と僕の交換日記の延長で書き始めたんだよね、ココ。
アクセスもその頃は、日に1とか2あればいい方で。
要は僕と紫苑しか読んでなかった、そんな過疎ブログでした。
それがまさか、こんなに大勢に読まれるなんてさ、
きっと二人とも想像できなかったよね。
Yahoo!の掲示板で二人で遊んでいるときに、
紫苑が言った台詞「あんた、文章書きなさいよ」って。
それがきっかけで僕は、当時流行り始めていたブログを書き始めたんだ。
だから、彼女と別れた後、一旦は閉じようとしたんだよ。ここを。
二人の思い出を、そのまま封印するつもりで。
それがその後、ここまで続けて来たのはね、
僕はたぶん、伝えたかったんだろうな……。
ネット恋愛の、あれこれを。
僕や、僕らの恋愛を通して、幸せだったり、泣き言だったり、
愚痴だったり。決して良いことばかりじゃない、
ネット恋愛の現状。そしてそこから始まる遠距離恋愛や、
リアルな関係に移行する過程を。
喜怒哀楽、断片的な人間模様ってやつをね。
時は流れて、今やごく普通に
ネットから始まる恋愛が語られる世の中になって、
「mixiで出会いました。」なんて、結婚式でも堂々と言える時代になって、
このブログの役割も終えたのかなって、そう感じるようになった。
このブログのエンディングは、
決してみんなが望んでいた形じゃないかもしれない。
「僕ら結婚しました。幸せになります。」
「ネットから始まった恋愛って、こんなにも良いものだよ。」
そう最後に報告して、書き綴って、
終わりにしたかったけれど、……ごめんね。
一生に一度、できるかできないかの
大恋愛をさせて貰った貴方には感謝してます。
そう話してた紫苑とは、趣味や考え方。物の見方や捉え方。
ツンデレな所とか、悪戯子な性格。なにもかもが僕にピッタリの
きっと君以上の女性に今後巡り会うことはないだろう。
そう思うほどのソウルメイトでした。
事実、喧嘩なんてほとんどなかったし。
その影で泣かした、東京タワーの雪菜。
年齢差というテーマでブログを書くきっかけを与えてくれたり、
深空に続くきっかけを作ってくれた、20歳下の和希。
ネット恋愛について、男女のあれこれについて、
深く考えさせてくれた親愛なるココアとみるく。
「最後の女にしてやるよ。ずぅっと傍にいてやる。」
そう約束し、果たせなかった深空。
「顔を合わせた数は、紫苑さんに比べて遥かに少ないはずなのに
なんでこうも辛いんだろう。」そう話してた、喧嘩の絶えなかった深空。
結局俺はお前のことを、何でも知ってるつもりだったのに
何一つ知らなかったんだな……。って後から感じたよ。
好きな音楽とか、アーティスト。実は○○が好きとかさ・・。
仲良くしていただいた、奏や、さすけ。みるくに王子。ほかリンク先各位。
5年間お付き合いいただいた方の足跡、ユニークアクセス数、320,000。
ご覧いただいたページの数、トータルページビュー590,000。
幾度となくいただいた、暖かいコメントや激励。叱責。
そんなものをいつまでも大切に、ココに留めておきます。
今後の僕へのアクセスは、メールフォーム。
又は此方までご連絡を。
今までみんなありがとう。
そして、……ごめんね。
けれども、それを待たずにココを閉じることに……
いや、正確に言えば次のエントリーを最後に、更新を停止することにしました。
ココに初めて書いた5年前。2005.07.14 Thuは、
まだネット恋愛に関する情報も、ブログやサイトも少なくてさ、
当初、紫苑と僕の交換日記の延長で書き始めたんだよね、ココ。
アクセスもその頃は、日に1とか2あればいい方で。
要は僕と紫苑しか読んでなかった、そんな過疎ブログでした。
それがまさか、こんなに大勢に読まれるなんてさ、
きっと二人とも想像できなかったよね。
Yahoo!の掲示板で二人で遊んでいるときに、
紫苑が言った台詞「あんた、文章書きなさいよ」って。
それがきっかけで僕は、当時流行り始めていたブログを書き始めたんだ。
だから、彼女と別れた後、一旦は閉じようとしたんだよ。ここを。
二人の思い出を、そのまま封印するつもりで。
それがその後、ここまで続けて来たのはね、
僕はたぶん、伝えたかったんだろうな……。
ネット恋愛の、あれこれを。
僕や、僕らの恋愛を通して、幸せだったり、泣き言だったり、
愚痴だったり。決して良いことばかりじゃない、
ネット恋愛の現状。そしてそこから始まる遠距離恋愛や、
リアルな関係に移行する過程を。
喜怒哀楽、断片的な人間模様ってやつをね。
時は流れて、今やごく普通に
ネットから始まる恋愛が語られる世の中になって、
「mixiで出会いました。」なんて、結婚式でも堂々と言える時代になって、
このブログの役割も終えたのかなって、そう感じるようになった。
このブログのエンディングは、
決してみんなが望んでいた形じゃないかもしれない。
「僕ら結婚しました。幸せになります。」
「ネットから始まった恋愛って、こんなにも良いものだよ。」
そう最後に報告して、書き綴って、
終わりにしたかったけれど、……ごめんね。
一生に一度、できるかできないかの
大恋愛をさせて貰った貴方には感謝してます。
そう話してた紫苑とは、趣味や考え方。物の見方や捉え方。
ツンデレな所とか、悪戯子な性格。なにもかもが僕にピッタリの
きっと君以上の女性に今後巡り会うことはないだろう。
そう思うほどのソウルメイトでした。
事実、喧嘩なんてほとんどなかったし。
その影で泣かした、東京タワーの雪菜。
年齢差というテーマでブログを書くきっかけを与えてくれたり、
深空に続くきっかけを作ってくれた、20歳下の和希。
ネット恋愛について、男女のあれこれについて、
深く考えさせてくれた親愛なるココアとみるく。
「最後の女にしてやるよ。ずぅっと傍にいてやる。」
そう約束し、果たせなかった深空。
「顔を合わせた数は、紫苑さんに比べて遥かに少ないはずなのに
なんでこうも辛いんだろう。」そう話してた、喧嘩の絶えなかった深空。
結局俺はお前のことを、何でも知ってるつもりだったのに
何一つ知らなかったんだな……。って後から感じたよ。
好きな音楽とか、アーティスト。実は○○が好きとかさ・・。
仲良くしていただいた、奏や、さすけ。みるくに王子。ほかリンク先各位。
5年間お付き合いいただいた方の足跡、ユニークアクセス数、320,000。
ご覧いただいたページの数、トータルページビュー590,000。
幾度となくいただいた、暖かいコメントや激励。叱責。
そんなものをいつまでも大切に、ココに留めておきます。
今後の僕へのアクセスは、メールフォーム。
又は此方までご連絡を。
今までみんなありがとう。
そして、……ごめんね。
2week+3days#17
そうしてその予感は当たり、僕らは2年間の付き合いに終止符を打った。
別れる数日前、僕はmixiの日記で公開プロポーズみたいなことをした。
来年中に遠距離を終わらせる努力をする。
親にも話をしに行くよ。それでいい?って、内容のね。
なぜそんな愚行をしたかと言えば、
あと、どれくらい待てば良いの?
あと、どれくらい我慢すれば良いの?
遠距離は辛いよって、友達に言われたけれど最近、本当辛く感じる。
たまに今の関係って付き合ってるって言えるのかな?
ということを、電話口で聞かされたから。
だからね、将来の指針を示す事で、彼女を楽にしてあげようと思った。
もうそれ以上待たなくて良いんだよ。
そんなつもりで語りかけた。
あとは、そうだな。
彼女へ口説きメールを送ってる奴が数人いたから
それに対する牽制の意味合いも実はあったんだ。
最近の深空はネット・リアル共に
複数から声がかかっていたし、彼女に近い友人から
結婚願望や、子供を産みたがってるって聞かされていた。
だから、現状が辛ければ早い段階で僕に見切りを付けて、次に行けば良い。
じゃなくて、本当に僕の残りの人生が欲しいならば、
あと1,2年は待って欲しい。
そんなつもりだった。
とにかくあの場へは、yesかnoだけ書いてくれれば良かった。
けれども一向に返事が貰えない僕は、彼女に催促をした。
仕事での人間関係にいっぱい、いっぱいだった彼女は、
たぶんそこで糸が切れてしまった。
「もう無理だから、終わりにしよう」
別れる数日前、僕はmixiの日記で公開プロポーズみたいなことをした。
来年中に遠距離を終わらせる努力をする。
親にも話をしに行くよ。それでいい?って、内容のね。
なぜそんな愚行をしたかと言えば、
あと、どれくらい待てば良いの?
あと、どれくらい我慢すれば良いの?
遠距離は辛いよって、友達に言われたけれど最近、本当辛く感じる。
たまに今の関係って付き合ってるって言えるのかな?
ということを、電話口で聞かされたから。
だからね、将来の指針を示す事で、彼女を楽にしてあげようと思った。
もうそれ以上待たなくて良いんだよ。
そんなつもりで語りかけた。
あとは、そうだな。
彼女へ口説きメールを送ってる奴が数人いたから
それに対する牽制の意味合いも実はあったんだ。
最近の深空はネット・リアル共に
複数から声がかかっていたし、彼女に近い友人から
結婚願望や、子供を産みたがってるって聞かされていた。
だから、現状が辛ければ早い段階で僕に見切りを付けて、次に行けば良い。
じゃなくて、本当に僕の残りの人生が欲しいならば、
あと1,2年は待って欲しい。
そんなつもりだった。
とにかくあの場へは、yesかnoだけ書いてくれれば良かった。
けれども一向に返事が貰えない僕は、彼女に催促をした。
仕事での人間関係にいっぱい、いっぱいだった彼女は、
たぶんそこで糸が切れてしまった。
「もう無理だから、終わりにしよう」
[More...]
Genre : 恋愛 ネット恋愛,遠距離恋愛,歳の差恋愛
2week+3days#16
6月に会った時、深空は大きく変わっていた。
社会人になり、心身共に成長したなって感じた。
一緒に撮ったプリクラを見て、僕はなぜかため息を漏らした。
短かった髪の毛が、胸の高さまで伸びていたから?
それとも、メイクが巧くなっていたから?
今まで子供だ、ガキだと、
何処かで思っていたものが、全て消し飛んでしまうほどに
深空はいい女になっていた。
愛されている。その状況に僕は胡坐をかいていたのかな?
そう感じたとき、いや。そう気がついた時、一抹の不安を覚えた。
いつか、どこかへ行ってしまうんじゃないか?
そう感じるようになった。
深空は彼氏の前だからと、気合いを入れたつもりでも
僕にはそんな風に思えなくて、いつもあんな感じで
気合い入れて歩いているのかと思ってしまった。
「言っておくけど他に誘いがない訳じゃないからね」
「後輩の○○君からご飯食べに行こうよって誘われた」
とかさ、そんな風に脅されて不安にならない訳がない。
信用するとか、しないとかじゃなく、
僕はそれを聞いて、いつしか自分に自信がなくなっていったんだ。
事実、あとから彼女の友人に聞いた話だけれど
過去に何回かmixiのオフ会に参加したり、この後そこで知り合った男性と
二人きりでコンサートへ出かけたりしてたらしいから。
いつの日か、彼女は僕を必要としなく日が来るだろう。
いつの日か、僕から巣立つ日が、きっと……。
ダッタラ イマ コノシュンカンニ コワシテシマエヨ ラキス!
社会人になり、心身共に成長したなって感じた。
一緒に撮ったプリクラを見て、僕はなぜかため息を漏らした。
短かった髪の毛が、胸の高さまで伸びていたから?
それとも、メイクが巧くなっていたから?
今まで子供だ、ガキだと、
何処かで思っていたものが、全て消し飛んでしまうほどに
深空はいい女になっていた。
愛されている。その状況に僕は胡坐をかいていたのかな?
そう感じたとき、いや。そう気がついた時、一抹の不安を覚えた。
いつか、どこかへ行ってしまうんじゃないか?
そう感じるようになった。
深空は彼氏の前だからと、気合いを入れたつもりでも
僕にはそんな風に思えなくて、いつもあんな感じで
気合い入れて歩いているのかと思ってしまった。
「言っておくけど他に誘いがない訳じゃないからね」
「後輩の○○君からご飯食べに行こうよって誘われた」
とかさ、そんな風に脅されて不安にならない訳がない。
信用するとか、しないとかじゃなく、
僕はそれを聞いて、いつしか自分に自信がなくなっていったんだ。
事実、あとから彼女の友人に聞いた話だけれど
過去に何回かmixiのオフ会に参加したり、この後そこで知り合った男性と
二人きりでコンサートへ出かけたりしてたらしいから。
いつの日か、彼女は僕を必要としなく日が来るだろう。
いつの日か、僕から巣立つ日が、きっと……。
ダッタラ イマ コノシュンカンニ コワシテシマエヨ ラキス!
Genre : 恋愛 ネット恋愛,遠距離恋愛,歳の差恋愛
2week+3days#15
過去3回。恐らく僕らは、
同棲とか、結婚に結び付くきっかけを逃した。
1回目はあいつが進級できなくて、親に暴力を振るわれた時。
ネット環境をすべて取り上げられて、親の異状とも思える管理が始まったとき。
2回目はやはり親がらみで出て行けって言われたとき。
3回目は何が原因だったのか定かじゃないけれど、
深空が自殺未遂を起こしかけたとき。
その全てにおいてタイミングが合わなかったり、
僕の受け入れの態勢が整っていなかったり……。
2年目の5月。
その頃の僕は仕事がめちゃくちゃ急がしくて、
とてもじゃないけれど深空を構ってやれる、そんな状態じゃなかった。
早く寝かしつけて仕事を終わらせなきゃ。
その焦りとは裏腹に、彼女は一向に寝る気配がない。
寝たと思って電話を切る。すると数秒後にはまた着信があって……。
ついに「オマエが寝ないと仕事できないんだよ!」
って、口に出し…いや。怒鳴ったのかな。
「おやすみ」
気まずい雰囲気のまま切れた音声。
そうしてその日を境に、深空は
「淋しい」とか、「会いたい」とは言わなくなった。
翌月、3ヶ月ぶりに会った深空を連れて、
僕は初めて自宅周辺へ案内した。
2泊三日のデートの帰りのことなんだけど。
時間がかかっても、遠回りしてでも、
どうしても1回見ておきたいという彼女の意向で。
そうして自宅へ案内し、そこから高速へ乗った。
普段僕が見ている都会とは色の違う風景。聞いている鳥のさえずり。
体感してる温度とか、木々のざわめきとか。
ステアリングを握りながら、後方へ流れていく景色とか。
そんなものを、僕も彼女に教えたかった。
数ヶ月後、深空はこんな日記を書いてる。
彼と将来を考えて行くなら、私はもう、子供じゃいられない。
彼がいなくなっても、生きていけるだけの精神力をつけなければならない。
…二年前から守られて、そのままの心を、強くしなければならない。
じゃないと、一緒には歩いていけない。
…彼はいつか、私をおいて逝ってしまうから。
私は今のままじゃ、子供のままじゃ、いけない。
…今、彼の傍にいたら、なにも変われない。
やっぱり、距離をおくか、一旦別れるしかないのかな…。
同棲とか、結婚に結び付くきっかけを逃した。
1回目はあいつが進級できなくて、親に暴力を振るわれた時。
ネット環境をすべて取り上げられて、親の異状とも思える管理が始まったとき。
2回目はやはり親がらみで出て行けって言われたとき。
3回目は何が原因だったのか定かじゃないけれど、
深空が自殺未遂を起こしかけたとき。
その全てにおいてタイミングが合わなかったり、
僕の受け入れの態勢が整っていなかったり……。
2年目の5月。
その頃の僕は仕事がめちゃくちゃ急がしくて、
とてもじゃないけれど深空を構ってやれる、そんな状態じゃなかった。
早く寝かしつけて仕事を終わらせなきゃ。
その焦りとは裏腹に、彼女は一向に寝る気配がない。
寝たと思って電話を切る。すると数秒後にはまた着信があって……。
ついに「オマエが寝ないと仕事できないんだよ!」
って、口に出し…いや。怒鳴ったのかな。
「おやすみ」
気まずい雰囲気のまま切れた音声。
そうしてその日を境に、深空は
「淋しい」とか、「会いたい」とは言わなくなった。
翌月、3ヶ月ぶりに会った深空を連れて、
僕は初めて自宅周辺へ案内した。
2泊三日のデートの帰りのことなんだけど。
時間がかかっても、遠回りしてでも、
どうしても1回見ておきたいという彼女の意向で。
そうして自宅へ案内し、そこから高速へ乗った。
普段僕が見ている都会とは色の違う風景。聞いている鳥のさえずり。
体感してる温度とか、木々のざわめきとか。
ステアリングを握りながら、後方へ流れていく景色とか。
そんなものを、僕も彼女に教えたかった。
数ヶ月後、深空はこんな日記を書いてる。
彼と将来を考えて行くなら、私はもう、子供じゃいられない。
彼がいなくなっても、生きていけるだけの精神力をつけなければならない。
…二年前から守られて、そのままの心を、強くしなければならない。
じゃないと、一緒には歩いていけない。
…彼はいつか、私をおいて逝ってしまうから。
私は今のままじゃ、子供のままじゃ、いけない。
…今、彼の傍にいたら、なにも変われない。
やっぱり、距離をおくか、一旦別れるしかないのかな…。





